相続開始後の遺品整理はどうやって進める?失敗しないために知っておくべきこと
遺品整理は単なる片付けとは違い、相続手続きにも関わる重要な作業です。何から始めて、どこまで行えばよいのか分からない方も多いでしょう。当記事では遺品整理で取り組むべき作業内容や注意点を紹介していますので、トラブルを起こさないためにも、一度内容をご確認いただければと思います。
遺品整理とは何か
遺品整理とは、「故人が生前に使用していた物品や書類を整理し、適切に処理する作業」のことです。
自宅や部屋を整理整頓・片付けするだけではなく、相続財産の確定や相続手続きを円滑に進める上で重要な作業ともいえます。
たとえば故人の残した物品には、思い出の品、日用品のほか、資産価値の高い貴重品や重要な契約などにかかわる書類などさまざまなものが含まれています。これらを適切に分類し、処分すべきもの、相続財産として扱うべきものを判別していかなくてはなりません。
遺品整理を適切に進めることができれば、その後の相続手続きもスムーズに進めやすくなり、相続人間のトラブルを防ぐことにもつながるでしょう。
遺品整理として取り組む作業内容
故人の財産状況・生活状況によっても変わってきますが、遺品整理では多岐にわたる作業に対応しなくてはなりません。
遺品整理の主な作業内容 | |
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重要書類の発見と保管 | 相続手続きで必要になる重要書類を見つけ、紛失リスクの低い場所で保管する。 預金通帳、証券関係書類、保険証券、不動産の権利証、借入関係の書類、年金手帳など、遺産相続に関わる可能性があるものはすべて処分せず大切に残しておく。 机の引き出しや金庫、仏壇周辺、タンスの中などもチェックし、丁寧に探索していく。 |
貴重品の保全 | 現金のほか、宝石・貴金属・骨董品・美術品なども相続財産となるため、発見次第リスト化するなどして適切に管理する。 傷がつくことで価値が下がってしまったり、ほかの相続人と揉めてしまったりするおそれがあるため、慎重に取り扱い、可能であれば写真も撮影しておく。 |
日用品や思い出の品の分別 | 衣類、家具、家電製品、食器類などの日用品については、遺族が引き取るもの、リサイクルに出すもの、処分するものに分別していく。 故人との思い出深い品物に関しては相続人間で話し合いながら取得者を決めていく。 |
特に処分をするときはほかの相続人や専門家に相談するなど、慎重に判断しましょう。
遺品整理で注意すべきポイント
遺品整理を行う際の注意点も確認しておきましょう。
遺産相続では、これまで仲の良かった家族や親族でも関係性に亀裂が入ってしまい、人間関係が悪化するケースも珍しくありません。トラブルを避けるためにも以下の点に留意してください。
勝手な処分は避ける
相続人が複数いる場合、1人の判断で勝手に遺品を処分することは避けましょう。
ゴミなど明らかに不用なものであれば、処分しても大きな問題に発展するリスクは低いですが、少しでも悩む要素があるものについては別の方にも相談してから決めるべきです。
後々、「勝手に処分された」という主張が出て相続人間の紛争が勃発する危険性があります。相続人全員で処分に関して話し合い、意見が一致すればその旨を書面にまとめておくことがその後の揉め事を防ぐ上で大切な取り組みです。
また、一見経済的価値がないように見える物品でも、高額な価値を持っているケースがあります。古い本や食器、着物などは、専門家に鑑定を依頼することも検討しましょう。
借金関係の情報は早く共有する
故人が借金を抱えていることもあります。そして借入金やローンの残債は相続の対象ですので、相続放棄などの手続きを行わなければ相続人が債務者となり返済義務を負うこととなるのです。
※借金だけの放棄はできないため、資産を上回る負債がある場合に相続放棄を検討する。
そして相続放棄の手続きは相続が開始されたことを知ってから3ヶ月以内に進める必要があるため、早く遺産を調査して判断を下さなくてはなりません。
特に多額の借金が残っていることが確認できたとき、あるいはその疑いを抱かせる書類が見つかったときは、早いうちに相続人へと情報を共有しましょう。
デジタル上の資産も要チェック
現代では、パソコンやスマホなどのデジタル機器の中、あるいはオンライン上に保存されている重要な情報もたくさんあります。
そのため自宅を捜索するだけでなく、ネット銀行の口座情報や証券会社のオンライン取引、サブスクリプションサービスなど、デジタル上の資産や契約についてもチェックを進めましょう。
ただし、これらの情報にアクセスするにはパスワードが必要となるケースが多いです。パスワードを記したメモ帳を確認するか、専門家に相談して今後の対応についてアドバイスをもらいましょう。
遺品整理~相続手続きは専門家も活用しよう
遺品整理は相続手続きにも直接影響する作業ですし、想像以上に労力のかかる作業でもあります。間違った処理、不適切な遺品整理によって家族・親族間で仲違いを起こすリスクもあるため、適切な知識を持って臨まなくてはなりません。
故人が多くの財産を所有していた場合や相続人が多数いる場合、また、遠方に住んでいて頻繁に作業ができない場合などには、専門家のサポートを受けることも検討してみてください。
遺産分割や不動産の相続登記など、相続手続き全般については司法書士へご相談いただければと思います。また、司法書士を介して遺品整理の専門家・専門業者をご紹介することも可能です。
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平成10年 早稲田大学 法学部卒業
平成12年 司法書士試験合格、三鷹市の司法書士事務所に勤務
平成14年 司法書士登録
平成16年 簡裁代理関係業務認定
平成22年 いつき司法書士事務所開業
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