遺言書には必ず従わなければいけないの?相続放棄は可能?
遺言書は、亡くなったひとの意思が書かれた大切な書類です。
しかし、そこに書かれている内容に必ず従わなければならないのか、疑問を持つ方も少なくありません。
また、相続したくない場合に「相続放棄」ができるのかも気になるポイントです。
今回は、遺言書の効力や相続放棄の仕組みを見ていきます。
遺言書の効力とは
遺言書は、民法で定められた形式に従って作成された場合に法的な効力を持ちます。
有効な遺言書があると、原則としてその内容に沿って財産分与が行われます。
ただし、遺言書に書かれていても無制限に従わなければならないわけではありません。
遺言書の効力は、あくまで法律の範囲内で発揮されます。
たとえば、相続人の最低限度の取り分である「遺留分」を侵害する内容が書かれていた場合、侵害された相続人は「遺留分侵害額請求」を行うことが可能です。
請求が認められると、遺言書の内容とは異なる分け方で相続が行われます。
遺言書に従わなくても良い場合
遺言書に必ず従う必要がない場合として、代表的なのは以下のようなケースです。
- 遺言書が法律で定められた方式に従っていない場合
- 遺言書の内容が法律に反している場合
- 遺留分を侵害している場合
- 本人が生前に遺言内容を撤回していた場合
また、相続人の全員が遺言書と異なる分け方に合意した場合も、その合意が優先されます。
相続放棄の仕組み
相続放棄とは、被相続人の財産や負債を一切引き継がない手続きです。
相続放棄を行うと、プラスの財産もマイナスの財産も引き継がず、最初から相続人ではなかった扱いになります。
放棄をしたい場合は、相続の開始を知った日から3か月以内に家庭裁判所で手続きをする必要があります。
また、一度相続放棄をすると原則として撤回できません。
遺言書があっても相続放棄は可能
有効な遺言書があっても、相続放棄は可能です。
遺言書で「全財産を長男に相続させる」と書かれていても、長男が相続放棄をすれば、その財産は他の相続人や次順位の相続人に移ります。
上記の場合、遺言書の効力は、放棄した相続人には及びません。
ただし、遺言書に負債が明記されていなくても、実際には借金がある場合があります。
そのため、財産と負債の状況を確認してから放棄するかどうか判断するのが大切です。
まとめ
遺言書は法的な効力を持つため、原則としてその内容に沿って相続が行われます。
しかし法律に反する場合や遺留分を侵害する場合、全員が異なる分け方に合意した場合などは従わなくても問題ありません。
また、有効な遺言書があっても相続放棄は可能であり、負債を避けたい場合などに有効な手段となります。
相続はさまざまな感情や人間関係が絡むため、不安がある場合は、早めに司法書士などの専門家に相談するのがおすすめです。
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平成10年 早稲田大学 法学部卒業
平成12年 司法書士試験合格、三鷹市の司法書士事務所に勤務
平成14年 司法書士登録
平成16年 簡裁代理関係業務認定
平成22年 いつき司法書士事務所開業
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