公正証書遺言には証人が必要!選び方や作成当日の流れまで解説
公正証書遺言を作るには「証人」が必要です。誰に頼めばいいのか、そもそも証人とはどんな役割なのか、実際に遺言書を作ろうとしたとき抱く疑問を解消できるよう、ここで証人について解説していきます。
証人はなぜ必要なのか
公正証書遺言については、民法で「証人2名以上の立会いがあることが有効な成立要件」として定められています。
証人がいなければ、公証人がいても遺言は無効です。
では証人はその場で何をするのでしょうか。主な役割は次のとおりです。
- 遺言者が自分の意思で遺言内容を公証人に伝えていることを立ち会い見届けること
- 公証人が筆記した内容が遺言者の口述内容と一致していることを確認し、証人として署名・押印すること
つまり証人は、「この遺言は、公証人立会いのもと本人が自らの意思で述べた内容に基づいて作成された」という経緯を、その場に立ち会って確認する立場にあります。遺言者が亡くなってから遺言の有効性が争われたとき、証人の存在が大きな意味を持つことになるでしょう。
なお証人は、遺言の内容について口出しをするわけではありません。
証人になれない人(欠格者)
証人に誰でもなれるわけではありません。民法は、以下の人を「欠格者」とし、証人になることを禁じています。
- 未成年者
- 推定相続人(現時点で相続人になると見込まれる方)や受遺者(遺言によって財産をもらう予定の方)、ならびにこれらの配偶者と直系血族
- 公証人の配偶者、4親等内の親族、書記および使用人
現状、相続人になる予定の遺言者の子や妻・夫などは、遺言に対して利害関係を持つ当事者ですので、証人にはなれません。受遺者についても直接的に影響を受ける立場にあり、証人にはなれません。
もし、これら欠格者が証人として立ち会ってしまうと、遺言書全体が無効になるリスクがありますので注意しましょう。
証人は誰に頼むべき?
欠格者にさえ該当しなければ、特別な資格がなくても証人になれます。友人・知人・遠縁の親族など、生活上つながりのある人に頼むことは十分可能です。
ただし実務上、次の点を意識して選ぶことが重要といえます。
- 遺言の内容や作成の経緯について、後日証言できる信頼できる人物であること
- 内容を他言しない口の固い人であること
- 当日、公証役場まで来られる健康状態にあること
なお、親族に頼むときは欠格者の判断を誤りやすいため注意しましょう。法律に従い推定相続人の判定方法を適切に理解している必要がありますので、司法書士等相続に強い専門家を頼ることもご検討ください。
作成当日の証人の動き
証人が実際に公証役場で何をするかを知っておくと、依頼相手への説明もしやすくなるでしょう。
一般的な当日の流れは次のとおりです。
- 遺言者と証人2名が公証役場に出向く
- 公証人による本人確認(名前・住所・生年月日など)が行われ、証人の身分証も確認される
- 遺言者が内容を口述し、公証人がその内容を筆記する
- 筆記された内容を遺言者と証人に読み聞かせ、証人が内容を確認する
- 遺言者(実印)、証人(認印可)の順に署名・押印を行う
証人は最初から最後まで席を外さずに立会う必要があります。途中退席は認められていません。
一方で、事前の打ち合わせに出席する義務はなく、遺言内容を事前に把握しておく必要もありません。
自分で証人を見つけられないときはどうする?
「適切な人が身近にいない」「遺言の内容を知られたくない」という理由で、知人に頼みにくいケースも珍しくありません。
そのような場合の選択肢として以下2点が挙げられます。
- 公証役場に紹介してもらう
・・・公証役場で頼んで証人を紹介してもらうことも可能。紹介される証人は法律事務に精通した信頼性の高い人物となる。ただし対応状況は公証役場によって異なるため、利用予定の公証役場で費用も含め事前確認しておくべき。 - 司法書士などの専門家に証人を依頼する
・・・公正証書遺言の作成を専門家に依頼し、その専門家に証人を頼むことも可能。第三者としての立場である上守秘義務もあるため、遺言の内容を知られる点についても安心感が得られる。証人として同席できるか、別途費用がかかるかは事務所によって異なるため相談の際に確認すると良い。
内容を絶対に知られたくないという方は、司法書士など専門家に証人を依頼するか、公証役場に紹介を依頼するなどの方法を検討すると良いでしょう。
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